第5章

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魔法陣の前に立ち、右の手首を切り裂いて血を垂らす 治癒能力が高いので指先を切ったくらいでは血が出る前にふさがってしまうからだ 魔法陣が輝いた瞬間に“全てが止まった” 話していた人の声も、吠えていた使い魔の声も聞こえない 周りを見てみると人の動きが止まっていた どうやら俺以外の時間が止まっているようだ 「やぁ、久しぶりだね」 しばらく待っていると魔法陣から金髪の男が現れた ムクロ「こうして会うのは3度目だな、“神様”」 そう、俺をラクウェルに転生してくれた神様だった ムクロ「使い魔の召喚で現れたということはあんたが俺の使い魔になるのか?」 神様「いや、違うよ 君の使い魔になるのは僕の部下でね、そのことを伝えにきたのさ」 ムクロ「その為だけにわざわざ神様かねぇ……」 なにやら裏がありそうだな 神様「別に厄介ごとを押しつけようって訳じゃないさ それじゃあよろしくね」 そう言うと神様は消えて、魔法陣から誰かが出てきた 召喚されたのを見た瞬間、俺は泣きそうになった なぜなら、現れたのは懐かしい顔だった 俺の初恋だった人物、転生してからずっと想い続けていた人物 「お久しぶりです、灰君」 染島愛香がいたのだ ・
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