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足元から徐々に消えて光の粒になる
どうやら時間のようだ
灰「愛香、これを受け取ってくれ」
首にかけていた2つの指輪がついたペンダントを渡す
愛香「これは?」
灰「俺の親の形見だ」
俺の両親は交通事故で死に、遺体は残らなかったが何故か指輪だけ残った
それを愛香に渡したのだ
愛香「……いいんですか?」
灰「良いんだよ
俺が持っててもどうしようもないからな……っと、そろそろだな」
光が胸まで来た
もう時間はほとんど無い
愛香「灰君……こっちを見てください」
灰「ん?なにか……」
愛香を向いた瞬間に唇に何か柔らかいものが当たった
愛香にキスをされたようだ
愛香「これが私のファーストキスです……
灰君、好きです」
灰「俺からしたら最初で最後のキスだな……
俺も愛香のことが好きだったよ」
長いこと笑っていなかったが、最後の別れのために笑う
泣いて別れるなんて辛気臭いのは嫌いだからだ
そして光が頭まで来たところで俺は消えた
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