変わらない日常

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季節は春。 暖かな陽気に屋上で昼寝をするには最高の日。 だけど僕は今、学校の体育館裏にいる。ここも昼寝をするにはいい場所なんだけど僕は昼寝をしに来た訳ではない。 朝、学校の下駄箱に一通の手紙が入っていた。内容は『昼休み体育館裏で待っています』と簡潔に一言。 名前すら書いてなかったけど、字を見れば女子という事は分かるので用件は大体分かっているし、答えも決まっている。 けど向こうは答えなんてわかる訳ないからこういうものを送ってくる。 だから僕の貴重な昼寝の時間も削られる訳で…… そんな事を考えながら体育館裏で一人待っていると、一人の女子が体育館の角から現れた。 現れたのは確か……隣のクラスの石田……いや、岩見さん? とりあえず頭がイのつく女子だったと思う。 思い出せないので勝手ながらイガシラさんと呼ぶ事にする。 イガシラさんは僕の所まで歩いてくると走ってきたのだろうか、肩先まで伸びた髪の乱れた所を直した。 そして二,三度深呼吸をした後、意を決した様に僕を見つめ、伝えた。 「春樹くん、好きです!!」 告白という名の愛の気持ちを……
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