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深体大進学の話が流れ、元から志望していた医大に進学した。
もちろんバスケは続けたが、医大故に、“バスケ一筋”の日々とはいかなかった。
授業や実験、実習…
その合間を縫っての練習…
無論、手を抜いていたわけではない。
けれど、バスケをしている時でさえ、なにか、空虚感みたいなものが常にまとわりついていた。
『物足りない』
そうはっきりと自覚していた。
けれど、どうにかしようと思っても、どうにもできなかった。
結局、バスケは大学を卒業するまで続けはしたけれど、物足りないまま終わってしまった。
そしてそのまま社会人になり、今ではすっかり遠い存在になってしまった。
……
『なんだか、赤木らしくなかったぜ。』
……
……
「そんなこと、言ったよなあ~。覚えてるよ。」
焼鳥を頬張りながら、三井は軽く、焼酎を一口呑む。
「……そうか。俺はてっきり、忘れてるもんだと思ってたがな。」
自分も一口、口に含む。
口の中いっぱいに、焼酎の焼ける感覚が広がる。
「忘れるわけないだろ?まだ三年くらいしか経ってないんだぜ?」
「…そうか。そうだよな。」
何故か少し、口元が緩んだ。
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