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自分の人生を本気で考えた時、それまでバスケだけだった自分が嘘のようにいなくなった。
先を見据えれば見据えるほど、“それからの自分”が明確になればなるほど、虚しくなった。
『“バスケ”に懸けていた自分は、嘘だったのか?』
……
「おい、赤木。おまえ、もう少し柔らかく考えられねーか?」
呆れたように、三井が聞く。
「柔らかく?」
その意味が分からなくて、少し語調が尖ってしまう。
「これだから頭の固い奴は困るよ。」
「……ぬっ…喧嘩売ってんのか?」
「…ふん。いいか。確かにおまえの言う“虚しさ”は分からなくもないぜ。でもな、おまえはちゃんと、おまえの道を進んだじゃねえか。」
「……?……」
「誰だって、迷うんだ。迷いながら答えを見つけてくんだ。その過程に、ちゃんとバスケはあっただろ?ちゃんと、向き合ってきたんだろ?」
「……」
「十分やったとは言わねぇ。確かにあの時のおまえはおまえらしくなかったけれど、でも…ちゃんとおまえは、“バスケ”、していたぜ?」
……
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