act,4 『ふるさと from沢北栄治』

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翌年。 再び山王工業は頂点に立った。 心底、苦しかった。 向かって来る強物達は、まさに『壁』そのもののように思えた。 そのような中でも、『王者』の称号を得る事ができ、素直に嬉しかった。 『絶対』などない。 けれども、自分の手で、『絶対』は作っていくものだ。 たくさんの戦いを経て、俺は、そう思った。 『もう、大丈夫だ。』 高校を卒業すると同時に、俺は渡米した。 …… 「テツ……俺、もうちょいこっちにいたいんだ。」 「……そういうと思ってたよ…なに、別にこっちでバスケをやれと言ってるわけじゃない。たまには里帰りでもと思ってな。」 「あっ…なんだよも~。俺、てっきり日本に帰ってこいってゆってるのかと思った~。」 「話をよく聞け!都合がついたらって…帰省を勧めてるって捉えるのが普通だろ?」 「むっ…まあ確かに…」 「……そんなんで、チームメイトとコミュニケーションちゃんととれてんのか?」 「失礼な。大丈夫だよ。ご心配なく!」 「へーへー。わるぅございましたね~好青年。」 …… 自分を強くしたい。 けれども、アメリカに来て、それが叶ったかどうかは疑問だ。 ただがむしゃらに時間は過ぎていって… 気づくと、自分を客観的に見る事を忘れていた。
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