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翌年。
再び山王工業は頂点に立った。
心底、苦しかった。
向かって来る強物達は、まさに『壁』そのもののように思えた。
そのような中でも、『王者』の称号を得る事ができ、素直に嬉しかった。
『絶対』などない。
けれども、自分の手で、『絶対』は作っていくものだ。
たくさんの戦いを経て、俺は、そう思った。
『もう、大丈夫だ。』
高校を卒業すると同時に、俺は渡米した。
……
「テツ……俺、もうちょいこっちにいたいんだ。」
「……そういうと思ってたよ…なに、別にこっちでバスケをやれと言ってるわけじゃない。たまには里帰りでもと思ってな。」
「あっ…なんだよも~。俺、てっきり日本に帰ってこいってゆってるのかと思った~。」
「話をよく聞け!都合がついたらって…帰省を勧めてるって捉えるのが普通だろ?」
「むっ…まあ確かに…」
「……そんなんで、チームメイトとコミュニケーションちゃんととれてんのか?」
「失礼な。大丈夫だよ。ご心配なく!」
「へーへー。わるぅございましたね~好青年。」
……
自分を強くしたい。
けれども、アメリカに来て、それが叶ったかどうかは疑問だ。
ただがむしゃらに時間は過ぎていって…
気づくと、自分を客観的に見る事を忘れていた。
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