act,4 『ふるさと from沢北栄治』

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『ハロー?』 『もしもし?俺だ。沢北。』 『何だよー久しぶりじゃん。』 『……先週試合で会ったばかりだろ。』 『えっ?そうだっけ?』 『そうだよ。相変わらず何でもすぐ忘れる奴だぜ。』 『はは。で?何か用?』 『おまえさ~来月のオフ、何してんの?』 『オフ?いや~やっぱりね~……帰国しようと思ってたけど?』 『やっぱり?いつから?』 『え~と……一応20日に発とうかと。』 『20日な?よし、じゃあ俺もその日にする。一緒に行こうぜ。』 『え?何?沢北、帰国するのか?珍しい。』 『あぁ、しばらく帰ってね~しな。』 『そか。じゃあ着いた日は、魚住さんの店で呑むか?』 『おっ、いいね~。久々だ!』 …… 気づけば、もう三年くらい、日本には帰っていなかった。 別に、帰りたくないわけではなかった。 帰ろうと思えば機会はいくらでもあったのだが、常に、“バスケ”が優先された。 オフだからといって、のんびりなぞしていられない。 その時間も有効に使っていかないと、すぐに切り捨てられる。 それがアメリカだった。 だから、必然的に、プレイは体が覚えていったし、なんとか試合にも出し続けてもらっていた。 けれども、今回は少し休もうと思った。 自分でも、理由はよく分からない。
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