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『ハロー?』
『もしもし?俺だ。沢北。』
『何だよー久しぶりじゃん。』
『……先週試合で会ったばかりだろ。』
『えっ?そうだっけ?』
『そうだよ。相変わらず何でもすぐ忘れる奴だぜ。』
『はは。で?何か用?』
『おまえさ~来月のオフ、何してんの?』
『オフ?いや~やっぱりね~……帰国しようと思ってたけど?』
『やっぱり?いつから?』
『え~と……一応20日に発とうかと。』
『20日な?よし、じゃあ俺もその日にする。一緒に行こうぜ。』
『え?何?沢北、帰国するのか?珍しい。』
『あぁ、しばらく帰ってね~しな。』
『そか。じゃあ着いた日は、魚住さんの店で呑むか?』
『おっ、いいね~。久々だ!』
……
気づけば、もう三年くらい、日本には帰っていなかった。
別に、帰りたくないわけではなかった。
帰ろうと思えば機会はいくらでもあったのだが、常に、“バスケ”が優先された。
オフだからといって、のんびりなぞしていられない。
その時間も有効に使っていかないと、すぐに切り捨てられる。
それがアメリカだった。
だから、必然的に、プレイは体が覚えていったし、なんとか試合にも出し続けてもらっていた。
けれども、今回は少し休もうと思った。
自分でも、理由はよく分からない。
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