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「赤木さん、仕事、どう?」
体格に似つかわしくない白衣を身につけた彼に、尋ねる。
昔は見慣れなかった眼鏡姿も、ここ最近は当たり前になってきた。
「…まあ…まだまだ勉強中だ。」
「…でもまあ、あの怪物が、こうやって医者をやってるなんて信じられないすよ。」
「ふん。なんとでも言え。」
少し窓の方に目を向けて、彼、赤木剛憲は答えた。
「ところで水戸、おまえ最近、あいつとは連絡はとってるのか?」
唐突に、さも今思いついたかのように、赤木さんが尋ねてきた。
「えっ?あいつ…って誰のこと?」
「……たわけ!あいつはあいつだよ。」
「……花道のことですかい?」
「あぁ。」
久しぶりに、“その”名前を聞いた。
心なしか、落ち着かない気持ちになる。
「…いや。全然。」
「……そうか……おまえも大変だったろうからな……」
「…赤木さん…実はね、俺、あいつとすっげぇ~喧嘩しちゃったんすよね~。」
「喧嘩?」
「えぇ。みどりの葬式の後に。」
「……そっか…みどりさんも、もう一年経つのか?」
「……そうすね~。いつの間にか…」
……
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