act,2 『情熱 from赤木剛憲』

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二者択一を迫られた時、自分でも恐いくらいに、一方を切り捨てた。 自分の全てだったはずなのに、いつの間にか、それは100%ではなくなっていた。 一番驚いたのは、その事に、その時になって気づいた事。 自分でも気づかないうちに、気持ちが変わってしまっていたことに、どこか、物悲しさを感じた。 …… 『明後日、帰るぞ!』 当直明けの眠い目に鞭を打って体を起こすと、携帯にメールが来ていた。 「……そっか…一年、経つのか…」 カレンダーに目を向けると、西暦は、確かに一年時を重ねていた。 その事実に、色んな想いが複雑に絡み合うのを感じる。 …… 『ゴリの分まで、頑張ってくるよ』 そう言ってくれたあいつに、あの時自分はどんな感情を抱いたのだろう。 今となっては、はっきりと思い出せない。 でも、ただ一つ覚えてる感覚がある。 それは、嫉妬だった… …
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