act,2 『情熱 from赤木剛憲』

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「よぅ、赤木、悪いな。忙しい時に。」 「いや。あっ……コーヒー下さい。」 注文をとりにきたウェイトレスに軽く会釈しながら席に着く。 昼下がりの午後。 温かなこもれびが、程よく窓から射している。 思わず、欠伸が出た。 「なんだ?寝不足か?」 そう言いつつ、俺につられたのか、木暮も軽く、欠伸が出ている。 流れた涙を拭きながら、 「当直明けだ。まあ寝不足っちゃ~寝不足だな。」 少し苦笑して下を向いた。 「ところで何だ?わざわざ呼び出したからにはそれなりの用なのか?」 コーヒーをすすりながら、話を切り出す。 「あぁ…あのさ、桜木から連絡きたか?」 「おぉ。今朝方メールが届いてたが…?」 「実は昨日さ、偶然宮城に会ってさ。駅前で。」 「宮城に?」 「あぁ……せっかくだから、皆で見に行こうってさ。」 「……そっか。」 「……でさ、赤木。おまえ、行けそうか?」 … …
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