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『会いたかったよ』
彼女は覚えて無いだろうけど本音が聞けたのは嬉しかった。
まるで主人を待つ飼い犬がぱたぱたと千切れんばかりに尻尾を振っているみたいだった。
思い出したら顔が綻ぶ。
3LDKのこの家には一人で住むには広すぎて、相手が出ていった寂しさをまぎらわせるもりで探したルームメート。
あやめと住み始めて、感じていた空虚感は何処へやら
満たされる事ばかりで本当に良かったと思う。
「あやめもいつか出ていくんだろうな」
無意識に呟いた言葉が広いリビングに溶けて消えていく。
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