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雑誌を2冊読み終えた頃琴葉さんに呼ばれて椅子に案内された。
「あやめちゃん
今日はどうしたいの？」
「どうしましょ」
「パーマ？カラー？
夏に向けて少し明るくする？」
ふわふわと両手で髪の先を触りながら琴葉さんが鏡の中で目を合わせてくる。
「私のお薦めは毛先の方にパーマかける感じかな」
「じゃあお願いします」
私は何時も琴葉さん頼みで髪型を決める。
長かった髪を肩くらいまで切ったのも琴葉さんの薦めだ。
「あやめちゃんはモヤモヤしたり心に何か溜まってくると此処に来るのね」
手際よく毛束を掬いカーラーに巻き付けていく。
「え？」
「来たときと帰るときの顔が何時も違うからね
上手く切り替えが出来るんだね」
「………そう
なんですかね」
私は曖昧に笑った。
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