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「……………ハイ」
現れたのは20代後半の男性だった。
何これ、新手の詐欺?
「すいません
驚かせて
天野恵(さとし)です」
「………さとし?」
「恵みと書いてそう読むんです」
立ったままの彼を見上げていた私は
かなり酷い顔をしていたのだろう。
彼は居心地悪そうにしていて申し訳無さそうに眉を下げている。
「あ……………座って下さい」
慌てて促した。
目線が合った彼を良く見てみると
柔らかそうな色素の薄い長めの髪で
女性みたいに綺麗な肌で
中性的な顔立ちをしている事に漸く気が付いた。
わぁ………美人さん
男性に使う言葉じゃないけど心の中だからいいよね。
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