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確かに琴葉さんのお店は凄く心地よくて、琴葉さんやアシスタントの安野君と話すと癒されるから色々リセット出来るんだと思う。 「女の子は凄いなぁっていつも思う 見違える程綺麗になるし 潔く諦めて輝く事も出来る」 手を動かしながら琴葉さんが言った言葉の後者が引っ掛かり、私の体に一度不規則な脈が流れた。 前髪を一センチ程切って貰い、髪もふんわりとセットしてくれた。 「一度霧吹きで湿らせて手でくしゅっと揉みながらセットすれば朝も楽にスタイリング出来るから」 「ありがとうございます」 切って貰った髪の量は少ないけれど何かが削げ落ちた様な気持ちになれた。 お店の外まで出て手を振り見送ってくれる二人に私も手を振り返した。 帰りに商店街に寄り魚を調達し野菜もちょっと買い足して家へと帰った。 「ただいまー」 玄関に入りケイの靴が無いことに気付く。
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