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ホワイトボードに予定は書かれて無かったからその内帰ってくるだろう。
買ってきた魚を煮付けにしようと生姜を薄く切り、白髪ネギを作り水に晒す。
ご飯をといで和え物を作って……としていたらケイが帰ってきた。
「あやめパーマかけたの?
可愛い」
カウンターから手を伸ばして毛先に触れる。
「あ、うん
ありがとう」
ケイの目を上手く見れなくて手元に視線を落とし大葉を刻んだ。
気にしてしまうと
其ばかりに意識が取られ
ぎこちなく成ってしまう。
分かっているのに何故か私はその蟻地獄のような埋もれるまでどう足掻いても仕方ない状況に勝手に陥ってしまいそうになる。
息の仕方を考えたら
息が吸いづらくなるように
自然にやっていたことを
考えてやろうとすると
とても難しく思える。
「あやめのご飯ほっとする味って感じで好き」
「え?あ……そう?」
ケイは変わらず何時ものように茶碗やお皿を準備してくれている。
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