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朝日を あやめに逢わせても 大丈夫だとは思うけど 何となく、今はまだ逢わせたくないという気持ちが働いてしまった。 「ただいま」 リビングを開けると、ソファに横になっているあやめが目に入ってくる。 「………… こんな無防備な」 肩から力が抜け仕事道具が入った鞄がずり落ちそうになった。 「わ」 音を立てないように気を付けて部屋に戻りブランケットを持ってリビングへ戻る。 あやめにブランケットをかけ、ソファの前に座りあやめの顔を眺める。 「不思議な子だね あやめは」 するりと入り込んできて 居座って 懐いて 空気と同じくらい自然で 空気と同じくらい大事になっているって………………事? 自分自身に投げ掛けた。
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