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「ケイ」
仕事終わりに入っていたメールにケイからご飯のお誘いがあり、待ち合わせ場所に既にいた彼を呼ぶ。
仕事用の何時ものカジュアルな感じではなく、ライトグレーのジャケットに黒い細身のパンツを履いて立っているケイは遠くからでも良く目立つ。
「突然ごめんね」
爽やかな笑顔を私に向けるケイの周りにいる女性たちの視線が彼に集中している。
「いや……いいよ
どうしたの?
なんか素敵な格好してるけど」
梅雨で雨が続いていたがケイの周りには湿度が無い。
「仕事仲間に招待券貰っちゃって
勿体無いから付き合って貰おうと思って」
ケイが見せてくれたのは待ち合わせたホテルの最上階のレストランの招待券だった。
「えー
凄い」
「行って貰える?」
差し出された手に
「私で良ければ」
手を添えた。
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