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「1日早いけどおめでとう」 「…………ありがとう ケイ…………今日って全部準備してくれたの?」 驚きと嬉しさで声が震えそうになった。 「………… まぁ、気にしないでね」 顔を傾けて可愛らしく笑うケイを見たら少しだけ涙が出てきた。 「ケーキ持って帰っていい?」 「うん、そのつもりだったから」 「ケイ 本当にありがとう 26才 良いことが起こりそうだよ」 雨が上がった帰り道は、タイル張りの地面がネオンを映して煌めいている。 「そうだね」 私の歩幅に合わせるケイは微笑みながら前を向いた。 「あやめ?」
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