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「………何か やな物見ちゃった 凄いタイミングだよね」 無理があるけど明るい笑顔を作ってケイに振り向いた。 「………」 ケイは何か言いたそうに眉を下げたけど 私は今口を開いたら 感情が溢れて破裂してしまいそうで 足早にその場から立ち去ろうと歩みを進めた。 一歩後ろを何も言わずにケイが着いてくる。 弱さに触れられると つい 抑えていたはずの物が頭を出そうとしてくる。 一滴 溢れ出たら もう止まらない。 未練がある訳じゃないのに 泣いてるところなんて見られたくなくて私は流れる涙をばれないように拭った。 「あやめ」
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