11

2/12
前へ
/431ページ
次へ
「お嬢ちゃん 珍しいね一人だなんて」 ママが私に目を止めた。 「こんばんは」 「待ち合わせ?」 ママの言葉に首を振る。 「もうすぐ店じまいするから此方に座って」 何かを察したママは半個室になっている部屋に私を案内した。 遅い時間だったので お客様も少なく 帰り支度をする人が殆どだった。 暖かいお茶を出されて 私はそれを両手で包んで目を閉じた。 「有り難う御座いました」 最後のお客様が帰り 暖簾を片付けたママはカウンターの中に戻った。 私はテーブルに置いてあったお皿やグラスをママへと渡した。
/431ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2824人が本棚に入れています
本棚に追加