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「有り難う 座ってなさいよ」 ママに言われカウンターに座った。 「ご飯は食べてきた?」 「いえ、仕事帰りなんです」 「こんな時間まで?」 洗い物をしながらママは時計を見る。 「先輩が転勤するので今バタバタしてるんです」 「大変なのね」 シュンシュンと行平鍋のお湯が沸く音が心地好く耳に響く。 「はい 一緒に食べましょ」 お盆にお茶漬けとお浸しの小鉢とお漬け物が乗っていた。 「有り難うございます」 カウンター越しにそれを受け取って 私が小鉢やお茶漬けを並べていると ママがカウンターからでてきて私の隣に座った。 「頂きます」 ママが出してくれたお茶漬けは 昆布出汁の香りがふわっとして 甘めの梅が美味しい。 「…………何か相談事?」 ぱりぱりとキュウリのお漬け物を食べながらママは私に投げ掛けた。
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