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「……………ママ ケイが 女性を好きになることは 無いのでしょうか?」 鼻から一息溜め息を流したママはゆっくりと口を開いた。 「……………難しいわね それはお嬢ちゃんが 女性を好きになるのと同じことでしょ」 「そうですよね…………」 カタッと箸置きに箸を戻した。 解っていたのに 何か違う道があるんじゃないかと 淡い期待をしていたのも事実。 「………… 仕方無いわよ好きになっちゃった物は」 ママがさらさらとお茶漬けを流しながら当たり前の様に言った。 「好きになった気持ちは悪いもんじゃ無いわ それをどうするかは自分で決めなくちゃいけないけど ケイみたいな子の近くにいたら誰だって好きになるわよ」 ママは私の気持ちを肯定してくれた。 「残念だけど 成就はしないね そんな恋、アナタだって今まで経験してきたでしょ?」 「………えぇ」 「告白しろとは言わないし 簡単に諦めろとも言わないけど 上手く気持ちを 纏めないとね」 ママは私の肩に触れてから ケイがするみたいに頭をぽんぽんと撫でた。
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