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手伝おうと片側の二の腕辺りを持ち上げる。
「ほんとだ、良い腕してるね」
ケイが朝日さんの腕を自分に回させて肩を組むような形で抱えた。
「あやめ
ちょっとテーブルずらして?」
「あ、はい」
ソファ前のローテーブルをテレビ側にずらした。
「重っ」
朝日さんをどさっとベッドに下ろしたケイは疲労困憊という様に額の汗を拭った。
「タオルケットだけでいいよね?」
ソファに身体を預けるケイに確認し、頷くのを見てからふわっと朝日さんにかけた。
「きゃ」
ぱっと目を開けた朝日さんに
がしっと両腕を捕まれて
気がついたら朝日さんの上に覆い被さる様に乗っていた。
腕はがっしり捕まれていてびくともしない。
朝日さんの体温なのか
自分の体が熱を持っているからなのか解らないけど
どんどん熱くなってきた。
「朝日!」
ケイが凄い剣幕で朝日さんを怒鳴り付けた。
朝日さんの胸の上で両手が不自由な私は真っ直ぐ見ている朝日さんから離れようと匍匐前進ならぬ匍匐後退りをしだした。
「あやめちゃん
あんまり動かないでくれる?
刺激されるから」
朝日さんは困った声でそう言った。
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