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朝 起きたら既に 朝日さんは帰った後だった。 コーヒーメーカーにスイッチを入れるとケイの部屋の扉が開いた。 「昨日ごめんね」 余り寝ていないのかケイは寝不足の顔して起きてきた。 「ううん」 「本当に女癖さえ悪くなければ完璧なんだけどな」 柔らかそうな髪をくしゃっとかき上げたケイはダイニングテーブルの席を引いて座った。 「そんなに悪いんだ」 分かる気がして笑いがこぼれる。 「時々モデル頼むんだけど、 直ぐに女の人に声かけちゃうんだよね」 トーストとスープを用意してコーヒーをカップに注ぐ。 「どうぞ」 「ありがとう」 起き抜けのくせに ケイは格好良い。 このルームシェアで 確実に私のハードルは上がったな。 嬉しくもあり、この先の恋愛に不安も過る。
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