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「無しって あんなに素敵な彼いませんよ? 先輩の事だって 凄く大切にしてくれそうだったし」 「大切にはしてくれてるよ」 私はしがみついてるユリににこっと笑って先輩へと挨拶をするため席を立った。 「先輩」 「本庄さん、今までありがとうね」 「此方こそありがとうございました」 「貴方みたいな後輩がいてくれて私は恵まれてた」 手元の花束を覗き見て先輩は表情を緩めた。 「そんな………私の方こそ」 先輩はすっと右手を差し出した。 彼女を見ると笑顔で頷いたから 私もその手を握り握手を交わした。 「同期のよしみで言わせて貰うけど 湯原は割りとお薦めよ?」 可愛らしい言い方をして私の二の腕をポンと触る。 「…………先輩」 私は眉を下げて笑った。
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