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「ご馳走さま」 「いえ、タクシー代出して頂いてるので」 朝日さんに誘われケイと初めて会ったカフェに入った。 「あやめちゃんって 律儀だね」 朝日さんはコーヒーのカップを持ち上げ私を笑ってみた。 「いえ、そんな」 「女の子って受け身の人が多いじゃん やって貰って当たり前 おごって貰って当たり前 ロクにお礼も言えないじゃん」 笑いを溢しながら朝日さんは言う。 「…………」 何だか この間会った時と朝日さんの雰囲気が違うな………… カフェオレを飲みながらちらっと朝日さんを盗み見た。 「ねぇ」 盗み見た視線を朝日さんに絡め取られビクッと肩が震えた。 「あやめちゃんてケイの事どう思った?」 「え?」 朝日さんの黒い瞳に見透かされて 心臓が口から出そうな位飛び跳ねた。
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