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スパンスパンと 壁打ちでもするかのように 私に意見を伝える花は やっぱり私の事をわかっているんだと思う。 「ルームシェア 続けたいんでしょ」 仕方がないねと言いたげな顔で私を見る。 「うん」 言った所で方向は悪くなるだけなら 私はケイに気まずくなって欲しくないから自分の気持ちを隠すよ。 全てはケイと今まで通り あの部屋で暮らしたいから。 「あ」 花がいきなり声を上げた。 「倉持さんだ」 視線を追ったけど人が多すぎて誰を見ているのか分からない。 「知り合い?」 「同じ会社の噂のイケメン」 花は目を細めてその人を追った後顔を私に戻した。 「そんなに格好いいんだ」 「天野さんを見慣れてるあやめには物足りないかもよ?」 茶化すように笑って倉持さんの説明を花は始めた。 「どんなに美人な女子社員が誘っても悉く断るし 自分から手も出さない素敵な人で、どうやら彼女に一途で大切にしてるみたい」 「へぇ 完璧な人っているんだね」 運ばれてきたデザートに目を輝かせて、ヨガで消費したカロリーをオーバーしてる事には目を瞑り、紅茶に手を伸ばした。 「あやめ あの人」
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