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「朝日ん家の家具はどうするの?」
「丁度弟が一人暮らし始めるからあげちゃう
ソファだけリビングに置かせて?」
「ハイハイ」
私をおぶっているせいで足の長い筈の二人の歩みはとてもゆっくりしていた。
それが妙に心地よくて吸い込まれる様にまた眠りに落ちていった。
「あやめ?」
朝日が背中にいるあやめの顔を覗く。
「まだ起きてないよ
口開いてる
子供みたい」
ふっと朝日が笑って前に向き直る。
「朝日」
「ん?」
街灯が淡い光を放ち
ケイの表情が寂しげに照らされた。
「出張に出ることになったんだ」
「そぅ」
深刻そうな顔をしてるケイを不思議に思い、朝日は一歩近付いた。
「あやめの事
よろしくね」
笑顔を作り歩き出したケイを
驚いた顔で見て
暫く朝日は動けなかった。
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