15

10/16
前へ
/431ページ
次へ
花火大会の日 朝から仕事のケイは私が起きたらもう居なかった。 朝日さんと二人でお昼過ぎに買い出しに出かける。 「今日何作りますか?」 「餃子は?」 「良いですね」 スーパーをぶらつきながら食材をカートへ入れていく。 朝日さんは黒いポロシャツにグレーのパンツで、その裾を折っているからアキレス腱が良く見える。 ラフな格好なのに絵になるのが羨ましい。 しかも 今日は眼鏡してます。 朝日さんが眼鏡してる。 朝からテンションが上がっちゃった。 ホント観賞用には持ってこい。 「枝豆も買っていこう」 彼は二袋手に取ってカートのカゴへ入れた。 朝日さんとキッチンに並んで料理を作り早めの夕食の準備をした。 「ケイ今から帰って来るって」 「じゃあ枝豆茹でたら餃子焼いちゃいましょ」 「お願いします」 朝日さんが見守る中 沸騰した鍋に塩を入れ枝豆を投入した。 「あやめちゃん上手いねー」 羽根つきの焼き目のついた餃子をお皿に盛り付けた頃リビングの扉が開いた。 「ただいま」 「おかえりー」 「タイミングいいね」 「うわ、旨そう すぐ手洗ってくるわ」 ケイは自分の荷物を置いて一度リビングから出ていった。
/431ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2824人が本棚に入れています
本棚に追加