2825人が本棚に入れています
本棚に追加
カラッ
窓が開く音がした。
「ごめん
今から仕事で出てくる
撮影変更の打ち合わせ入っちゃって
戸締まりよろしくね」
多分ケイの顔は私に向いている。
「おーいってらっしゃい」
「あ、朝日起きたの?
じゃあいってきます」
直ぐにケイの気配が消えて
また二人の空間になった。
私は最後に咲き乱れる花火を
真っ直ぐ見た。
「本当は
摘み取らなくちゃいけないって
分かってます………
でも
私の中に咲いてしまった
この花が萎むまで
咲かせてあげたいと思う」
席を一つ挟んで
前を向いたまま思いの丈を
吐き出した。
「朝日さんならわかるでしょ?」
同意を得たい訳じゃないけど
朝日さんの目を見た。
最初のコメントを投稿しよう!