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「でも
そんなの只の願望だった
結局あやめの事は
人として好きなだけなんだ」
ケイが何度か女性に好きになられた経験が有ることを朝日は知っていた。
上手く交わす術も
関わり合わない距離感も
ケイなら理解していた筈なのに……………。
あやめだから。
一緒に住んだのが彼女だったから
距離を縮め過ぎてしまったのかも知れないと
朝日も身を持って感じていた。
彼女は何時でも純粋で
人の為に
涙を流してしまう子だから。
ケイが苦しいのは
当然かも知れない。
「ちゃんと終わらせてあげないとね」
ケイはちょっとだけ口角を上げて笑みを作った。
その表情と、その結末を思案しただけで朝日は胸の重さを感じた。
「……………」
そしてただ頷く事しか出来なかった。
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