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「ただいまー」 「おかえり」 「今日も暑いね 夜なのに 歩いてくると汗ばんじゃうよ」 掌でパタパタと自分を扇ぎながらあやめがリビングへ入ってきた。 「わぁ……涼しい」 ワンピースの裾をひらひらと 靡かしてリビングを通り抜け 自分の部屋へと入っていった。 「……………」 言わなくちゃ………。 「ケイお風呂入った?」 服を手に持って あやめがリビングへ戻ってきた。 「ん、もう済ませたよ」 「あれ?朝日さんは?」 「弟の所に泊まってる」 あやめはふーんと頷いてリビングを出ていった。 お風呂から上がってきたあやめは髪を纏めていた。 随分髪が伸びたな………。 「あやめ飲む?」 「あ、ありがとう」 「ちょっと外で飲まない?」 バルコニーの方を指すとあやめは一度此方を見て首を傾げた。 「………いいよ?」 サンダルを履き、花火大会で使った椅子を並べた。 「わぁ 風が結構気持ちいいね」 ビールと缶酎ハイを抱えてあやめが出てきた。
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