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お風呂から出て ニュースを見ていたら 避難勧告が出ている地域が 字幕で出ていた。 朝日さんからは連絡が無く いつ帰ってくるか分からない。 打ち付ける雨の音と 吹き荒れる風の音が 恐怖心を煽る。 午後9時を過ぎたくらいに やっと朝日さんが帰ってきた。 「電車止まっちゃって タクシー1時間位待ったよ」 悲壮感漂う朝日さんに お風呂を勧めて 作ったご飯を温め直した。 頭にタオルをかけたまま リビングに入ってきた朝日さんは 「一緒にご飯食べるの久しぶりだね」 と言って向かいに座って微笑んだ。 明らかに少なくなった 私の食事の量を 気にしているとは思うけど 責めるような言葉を決して 口にしない朝日さんの優しさに 感謝しながら甘えていた。 ここ2週間で3キロ落ちた私の体は パンツを履くと緩さが分かるくらい あからさまなものだった。
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