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「ケイの前でどうせ無理するなら 俺の前で 泣けばいいのに」 「…………」 「あやめちゃんさ 一人で抱え込んで 答えを出そうとしちゃうでしょ? 弱音とか 誰にでも吐けたりする人じゃ無いじゃん」 「………朝日さん エスパーですか?」 まだそこまで長い付き合いじゃないのに 言い当てられると 弱さを抱き締めて貰えるような そんな感覚に陥る。 「例えば 俺に そう言うのさらけ出せたりする?」 彼の声が間近で響く。 朝日さんなら 話しても 大丈夫かもしれない。 こくりと頷くと左の耳が衣服を擦る。 「良かった それがクリアしないと 次に進めないから」 朝日さんは いい子いい子するみたいに 私の後頭部を撫で始めた。 「次?」 不思議に思い顔を上げる。 表情は暗くて伺い知ることが出来ないけど 朝日さんが私を見ている事は何と無く分かった。 「2週間 恋人ごっこしてみる?」  
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