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次の日 目覚めた私は ベッドの上で 昨日の出来事を思い返していた。 「………………」 夢だったんじゃないか 朝日さんが言ってくれた言葉の数々が 私の頭の中を甘く痺れさせる。 「おはよう」 「あ……おはようございます」 リビングには既に仕事に行く準備をした朝日さんが腕時計を着けながら私を見た。 「そんな……意識しないでよ」 朝日さんは軽く笑って眼鏡をかけた。 きゅん 朝から心拍数上昇しちゃうんですけど。 朝日さんは私に近付いて 顔の位置を合わせた。 「良かった 昨日は泣いてない」 視界を占領する朝日さんの笑顔に 顔が熱くなってきて 視線を落とした。 「あやめちゃん 恋人ごっこしてる間 出ている肌には触れてもいい?」 「……………え あ……………」 こくりと頷けば 朝日さんは私の頬に触れ 行ってきますと頭を撫でた。 「…………」 自分の部屋の扉に背を付けたまま 固まった私はただただ朝日さんを見送っていた。
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