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「朝日さんて 人の気持ち扱うの上手いですね」 少しだけ悔しくて、 拗ねた口調になってしまった。 だって 掌で転がされてるよ、私。 「……そう思う?」 ちらっと横目で此方を見る。 「ハイ」 私が下から朝日さんを見上げると にっと彼の目尻にシワが出来た。 「なら良かった」 私の頭に手を乗せて自分の方へと引き寄せる。 「そう思って貰えないと 彼女ですからアナタ」 ふっとこめかみ辺りが温かくなる。 こんな姫扱いされたら……嬉しいけど困る。 「(仮)だけどね」 大きな手で頭を優しく撫でてくれる。 勘違いしないように 自分を戒めないと……いけないでしょ? 「あさ……ひさん ちょっと 熱い」 というか恥ずかしい…………。 そう言っても朝日さんは右手を頭から離してくれない。 だから朝日さんからも離れられない。 恥ずかしがる位じゃ 朝日さんは止めてくれない。 だけど私の身体に力が入るときはすっと引いてくれる。
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