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「…………わぁ」
朝日さんに連れてきて貰ったのは茅ヶ崎だった。
広い砂浜に人は少なくて気持ちいい風が服や髪を揺らす。
「気持ちいー」
空高くトンビが優雅に飛んでいる。
ゴールデンレトリバーが毛並みを靡かせフリスビーをキャッチしていた。
心地好い涼しい風はもう秋の気配が混ざっている。
温泉付きの別荘を知り合いから借りられたらしく、今日はそこに泊まる。
「このまま海に投げ込みたい」
「やめてくださいよ!
目が本気っぽくて怖い」
砂浜ではしゃぎ合うなんて
まるで恋人みたいじゃないか。
朝日さんが口をあけて笑っている。
いつも飄々としてるから
表情を崩して笑った顔は素の表情が見られるから好き。
「朝日さん見て!ウッドデッキにグリルがついてる!」
大きな家の中を見回ると、暖炉や露天風呂などがあってテンションが上がった。
「夜はバーベキューにしよ?」
冷蔵庫に食材を入れた朝日さんはバルコニーへ出てきた。
「うん」
「先温泉どうぞ
ご飯の準備しておくね」
お言葉に甘えて私は温泉へ入った。
「う~
最高」
夕日が空を照らして橙色のグラデーションが夜を呼び寄せる。
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