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「わ………」 ウッドデッキのテーブルには既に色々並んでいて、後は食材を焼くくらいだ。 「じゃ、俺も入ってくるわ 先飲んでてもいいよ」 「いってらっしゃい」 朝日さんの背中を見送って服を片付けた後 グラスや取り皿を棚を開けて探して準備をする。 グリルで海老や帆立を焼いていたら 「やけど、しないでね」 と後から声がした。 「あ、もうすぐできます」 後ろから彼は首を伸ばして覗いてくる。 「貸して」 私の手からトングを取って海老を返していく。 ピタリと背中についた真後ろに感じる朝日さんの体温がくすぐったくて、動けない。 甘ったるい空気とシチュエーションに本当に錯覚しそうになる。 「食べよっか」 「ハイ」 美味しくて楽しくて嬉しくて 朝日さんとのお出掛けは 私の心を暖かく満たしてくれた。 「あやめちゃん」 片付けが終わり、お酒を飲んでソファに横になる朝日さんに呼ばれた。 「はい?」 彼はソファをポンポンと叩き座ってと促した。 「膝枕ゲット」 ソファに座ると朝日さんが私の膝に頭を乗せてきた。 「あさっ……」 びっくりしたけど満足そうに目を閉じる朝日さんの顔に力が抜けた。 上から見る朝日さんは睫毛も長いし鼻筋もきれいだし形のいい唇を少し開けている。 「…………」
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