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目を閉じてる朝日さんに触れたくなった。 艶の有る黒い髪をそっと触る。 前髪を分け 斜めに流す。 朝日さん 寝ちゃった? 隙有り 私は睫毛をそっと撫でた。 「朝日さん」 小さく呼びかけても返事は無し。 「…………甘えてくれてありがとう」 私ばかり甘えてたから こうしてくれるとほっとする。 「黒猫みたい」 ふふっ 鼻先を擽ると顔をしかめて横を向いてしまった。 「朝日さん 大丈夫な気がする 明日 ケイに会っても」 彼が寝ているのを良いことにぽつりと本音を漏らした。 「でも そしたら朝日さんに また甘える事になっちゃうね」 私に好きな人が出来るまで 期間限定の恋人ごっこ。 「もし ずーっと好きな人ができなかったらどうするの? 朝日さんが私より先に誰か好きになっちゃったら?」 まぁその時はちゃんと喜んで背中を押すよ。 睫毛に触れていたら 不意に大きな手が私の手を包んだ。
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