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茶色い角砂糖をカプチーノにぽとりと入れる。 くるくるとかき混ぜればクリームが渦巻き状になる。 駅前のカフェの二階の窓際に座り、読みかけの推理小説を鞄から取り出した。 このカフェは雰囲気が好きだ。 白い壁に青いタイルが整列していて、ランプが一つ一つ形が違うけどどれも可愛くて……… 雰囲気も去ることながらここはケイと初めて会った場所であり 朝日さんが色々話してくれた場所でもある。 私にとっては特別な場所。 「『貴方だったんですね犯人は』」 「…………」 小説の台詞が頭の上から降ってくる。 内心心臓が飛び跳ねていたが、無表情を繕った。 「お待たせ」 イタズラ好きな彼はにやにやとしながら私の前に座った。 「あれ?あんまり驚いてないね」 「…………まぁ」 一つ咳払いをして朝日さんの目を見た。 黒くて綺麗なその瞳が優しく笑って私の言葉を待っている。 置かれたコーヒーからふわりと立ち上る湯気を見つめていると綺麗な手でカップを持ち口に運んだ。 「…………朝日さん」 「ん?」 ゆったりとした動きでカップを置いて私を見る。 「私ケイの事好きです…………」
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