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でも出口を体で塞ぐから、私は洗面所から出る事が出来ない。 「そういうの嫌いです」 私は下を向いたまま言った。 「…………」 「心を閉じてるって分かってるならそんなに追い詰める様な事しないで下さい」 言いながらちょっと涙が出そうだ。 「朝日帰ったの?」 リビングからケイの声がして朝日さんは塞いだ出口から身体を引いた。 「ああ」 服の裾をきゅっと握りしめ私は込み上げる悲しみと悔しさとやるせなさを堪えていた。 「あやめそっちいる?」 「いるよ」 廊下を歩いてくるケイの気配がして朝日さんは完全に出口を開けた。 「あやめちょっと女子の意見聞かせて貰っていい?」 「……あ、うん」 ケイが顔だけ覗かせて私を呼んでくれたので窮屈な空間から解放され思うように呼吸が出来るようになった。 ケイの後に続いてリビングへと向かう廊下で 後ろから刺さる朝日さんの視線を感じ 胸の痛さにリンクする。 「朝日に何かされた?」 リビングへ戻るとケイが心配そうに私を見下ろしていた。 「ううん……何でもないよ」 私はケイに心配させないように表情を繕った。
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