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「………っ」
外から差し込む日射しで目を醒ます。
「……………あ、え?」
見慣れない風景に一瞬パニックを起こす。
「あぁ………そっか」
私、ルームシェア始めたんだった。
会社用の服に着替え洗面所に向かう。
まだケイは起きてないみたいでリビングは電気がついていなかった。
洗面所で顔を洗い、化粧を済ませてリビングへ戻ると髪に寝癖をつけたケイがいた。
「おはよう」
「ごめん起こした?」
「ううん、これ鍵」
すっと伸びた手の先に銀色に光る物体。
両掌で掬う様な形を作ればそこに落ちてくる冷たい感触。
「あやめ朝ごはんどうぞ」
ダイニングテーブルにはパンとサラダとフルーツが用意してあった。
「ありがとう」
「コーヒーと紅茶は?」
「コーヒー下さい」
「はい」
朝からこんなに至れり尽くせりな日があっていいのか………。
キッチンに向かうケイの姿を目で追いながら、口元が緩むのを抑えられなかった。
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