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あ…………
そうか、簡単な方法があったんだ。
もう私の為に
彼を縛り付けてはいけない。
「朝日さん」
マンションの手前で
私は彼を呼び止めた。
「好きな人が出来ました」
黒い瞳が私を見つめる。
『好きな人が出来るまで』
最初から終わらせる事は簡単だったんだ。
「ん……そっか」
風に吹かれた朝日さんの前髪が乱れる。
髪の分かれ目から黒い瞳が
キラリと光っていた。
「ありがとうございました
お陰で進むことが出来そうです」
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