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「あれ?朝日さん」
会社の近くで朝日さんを見かけたので後ろ姿を追い掛けた。
信号待ちで漸く追い付きとんとんと肩を叩くと振り向き私を確認した朝日さんは目を丸くして声も発せず固まっていた。
「…………え」
なんか私今登場したら不味い感じでした?
朝日さんの青ざめた顔にたじろぎ肩を叩いた手を下げた。
「お疲れさまです」
「あ…………お疲れ」
「朝日さん帰らないんですか?」
「あぁ、これからちょっと」
「兄貴」
此方に手を振り近付いてくる男性が私達の前で止まると
朝日さんが私を背中に隠すようにして前に立ちはだかった。
「そちらはどなた?」
身体を傾けて私を覗いてきたその顔は綺麗に整っていて
茶色い前髪の分かれ目から見える黒い瞳は朝日さんとそっくりだった。
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