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「本庄さん」
「え?」
お昼休みに定食屋から出た帰り、名前を呼ばれ振り向くといたのは弟君だった。
「また会いましたね」
「…………あ、どうも」
弟君は隣にいたユリに目を向けた。
ユリは会釈をして先に戻ってますと私に囁いて会社へ戻っていった。
「本庄さん、今日仕事終ってから時間ありますか?」
「…………今日は食事当番で」
「そぅですか
残念」
可愛い表情で悲しそうにするから何だか自分が悪いことしてる気分になる。
「じゃあお茶に付き合って貰えませんか?
兄の事で悩んでいて…………」
「……………」
「駄目ですか?」
黒い瞳に見つめられたら駄目なんて言えないじゃない。
「…………少しなら」
「本当に?ありがとう
待ち合わせはそこのカフェでいいですか?」
私の返事に彼はぱっと表情を明るくした。
「あ………え?」
「良かった
じゃあまた7時頃」
戸惑う私に構わず弟君は約束を取り付けて手を振って去っていった。
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