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「そろそろ帰ろうか
ママまた来ます」
ケイが合図をして席を立つ。
「はい
お嬢ちゃんもまたおいで
アナタ美味しそうに食べてくれるから作りがいある」
「はい」
笑顔で手を振るママにペコリと頭を下げた。
「ご馳走さまでした」
ケイがいつの間にかお会計を済ませてくれていたので私は一度深くお辞儀をした。
「いいえ」
そう言いながら髪を耳にかけたその仕草に
不覚にもドキリとしてしまった。
何て色気があるんだろう……。
4月終わりの夜風はふわっと頬を撫で火照る顔を沈めるように少しだけ涼しさが残った。
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