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「おかえり………ぃ」
笑顔を作ったけど
私今、顔の筋肉が正常稼働してないな。
「撮影早く終わってさ、友達来てるなら悪いなと思ったんだけど
これお土産」
ケイは持っていたケーキの箱を目線に上げる。
「ありがとう」
花は口を開けたまま
ゆっくり人差し指をケイに向けた。
「ちょっ…………
ちょっ………あやめ」
目線はケイを見たまま花は手をぷらぷらと動かして私を招く。
取り敢えず紹介をする。
「ルームメートの天野さん」
「初めまして」
「友達の花」
「あ………ど……も」
「花さんケーキ食べます?」
「は……はい」
「じゃあお皿に移して持って行くからあやめは座ってなよ」
私の背中に触れ笑顔で促す。
「ありがとう」
キッチンへ向かうケイを確認して花が私の腕をガシッと掴んだ。
「どういう事?
何あのイケメン!
彼氏なの?」
「いや………
あの………ね」
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