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雑誌に良くある着まわしのカレンダーの設定にいつも溜め息をつきたくなる。
「あ、その子の化粧したよ」
昼寝をするといって部屋に消えたケイがいつの間にか起きてきた。
「え?凄いじゃん!」
ペットボトルを冷蔵庫から取り出し私の背後にあるソファに座る。
「ねぇ、こういう設定って実際あるのかな?」
「設定?」
「出版社勤務とか、企画とか
スタイリストとか
毎日こんなにも素敵な抜け目無い服を着れてる人なんているのかなぁ」
「そんな事言ったら元も子も無いじゃん
そういう風になりたいなって憧れ持たせないとね」
私の後ろから手を伸ばしてきたケイ。
右手が私の右の肩越しから伸びてきて雑誌に触れ、耳元で声が響く。
ち か い
近いんですけど………。
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