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土曜日の朝
既に出掛ける準備をしていたケイはリビングで誰かと電話で話していた。
「………ですか、
撮影中止には出来ないですよね」
寝ぼけ眼をこする私に気付いたケイは手を上げて合図をしてくれる。
洗面所へ向かう私は口パクで『おはよ』と挨拶した。
顔を洗って化粧水をパタパタと肌に馴染ませていると、洗面所の入口からひょこっと顔を出したケイと鏡越しに目があった。
「使う?」
私は振り向いて端っこに避けた。
「あのね」
ちょっと可愛い声色で此方を伺うケイに違和感を感じた。
「あやめ今日は予定あり?」
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