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「先輩……
何か顔変わりましたね」
「え?そうかな」
合い向かいに並んで定食を食べながらユリにまじまじと顔を見られた。
「また
良い女になるつもりですか?」
「…………誉めてくれるの?」
珍しく甘口で評価してくれるから私はこそばゆくなって鼻の頭を掻いた。
「私も何か始めよっかな」
南瓜の煮付けを口に入れたユリは片方の頬を膨らましながら呟く。
「やっぱり女が一番変わるのって恋愛ですかね」
「…………」
ユリが下を向きながらそう言ったから、顔に影ができて表情が伺えない。
「ユリ?」
「あ、すいません
帰りにキャラメルカフェ買っていっていいですか?」
何時もの笑顔を振り撒いて
えへっと笑うから
私は「いいよ」と頷いて
深くは突っ込まなかった。
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